本記事では「YAMAHA(ヤマハ)/THR10II」を買って自宅練習用のギターアンプとして1年以上つかってみた結果、
- 良かった点
- イマイチだった点
について解説していきます。
筆者はそれまで、中古で買った「Marshall/G15RCD」というアンプをつかっていました。
このアンプも悪くはなかったのですが、
- 音質はいいが単調すぎる
- 重くて持ち運びがめんどくさい
- 本体サイズがデカくて部屋のスペースをとる
と、自宅練習用としてはややデメリットが目立っていたんですね。
そこで、
- 本体が小さめ&軽量
- 音質がよくてサウンドの種類も豊富
という条件で探し、たどりついたアンプこそが「YAMAHA/THR10II」。
スペックもさることながら、見た目のおしゃれさにひとめぼれし、その日のうちに楽天でポチってしまいました。
購入したあとに「さすがに衝動買いだったかな…」とすこし後悔しましたが、いざアンプをつかってみたら、そんな迷いは一瞬で吹きとぶことに。
結果として、YAMAHA/THR10IIは神アンプだった…!!!
かれこれ一年以上使っていますが、
- いろいろな音色が出せるから飽きない
- 専用アプリでツマミを遠隔操作できる
- 本体が軽くてカラオケなどにも持ち出しやすい
- Bluetoothスピーカーとしてもオシャレ&高性能
と、文句のつけようがありません。
おかげでギターの練習時間が3倍に増えて、以前よりもあきらかに上達しました。
しかも専用のスマホアプリから「音量」「ゲイン(歪み)」などを遠隔操作できるので、音づくりのときにわざわざアンプ本体まで手をのばす必要がありません。
ギターの演奏に疲れたときは、THR10IIで好きな音楽を流してリフレッシュタイム…からの練習再開!ってやってると、いつのまにか無限ループになります。
さらに、本体重量は人差し指一本でも持てるくらいの軽さ。
すこし気分を変えたくなったら、
- カラオケ
- スタジオ
などに気軽に持ち出して、家よりも爆音でギターの演奏ができます。
そのため、これからギターを頑張りたい初心者さんはもちろん、
- 最近ギターの練習がマンネリ気味
- 部屋の雰囲気になじむオシャレなアンプがほしい
- スピーカーとしても優秀なギターアンプがほしい
という人は、買わないと絶対に損をしますよ。
ちなみにTHR10IIを外に持ち出すときは、こちらのキャリーケースをつかうと便利です。
もっとくわしく知りたい人は、ぜひ記事の続きを読んでみてくださいね。
もくじ
「THR10II」の基本スペックと「THR30II」との違い
まずは「THR10II」の基本的なスペックについて、カンタンにおさらいしておきましょう。
メモ
※ すでに知っている人は「THR10IIを買ってよかった点」まで読み飛ばしてください!
見た目 | 価格(最安値) | 出力 (音の大きさ) | 電源タイプ | 本体サイズ | 本体重量 | ワイヤレス機能 | ラインアウト端子 |
![]() | ¥37,121 (Amazon) | 10W | ACアダプターから給電 | 約368x183x140 mm | 約3㎏ | × | × |
すでに知っている人も多いとは思いますが、同シリーズには「THR10II」のほかにも
というタイプがあります。
それぞれのちがいは、以下の一覧表で見比べてみてください。
名称 | 見た目 | 価格(最安値) | 出力 (音の大きさ) | 電源タイプ | 本体サイズ | 本体重量 | ワイヤレス機能 | ラインアウト端子 |
THR10II | ![]() | ¥37,121 (Amazon) | 10W | 付属ACアダプターから給電 | 約368x183x140 mm | 約3㎏ | × | × |
THR10II WIRELESS | ![]() | ¥51,590 (Amazon) | 10W | 充電バッテリー | 約368x183x140 mm | 約3㎏ | 〇 (別売のLine 6 Relay G10II トランスミッター単体が必要) ※ レシーバーは内蔵のため不要 | × |
THR30II WIRELESS | ![]() | ¥57,776 (Amazon) | 30W | 充電バッテリー | 約420x195x155mm | 約4㎏ | 〇 (別売のLine 6 Relay G10II トランスミッター単体が必要) ※ レシーバーは内蔵のため不要 | 〇 |
THR10IIとそれぞれの違いをもっとカンタンにまとめると、こんな感じです。
THR10II「WIRELESS」は…
- 価格が約14,000円ほど高い
- ワイヤレスシステムの「レシーバー」が内蔵されている
- バッテリーを充電しておけば電源がない場所でもつかえる
THR30II WIRELESSは…
- 価格が20,000円ほど高い
- 本体がややデカくて重い
- ワイヤレスシステムの「レシーバー」が内蔵されている
- バッテリーを充電しておけば電源がない場所でもつかえる
つまり、以下のような人であれば、低価格でワイヤレス機能がない「THR10II」がおすすめですよ。
「THR10II」はこんな人におすすめ!
- できるだけ予算をおさえたい
- ギターワイヤレスシステムを持っている
- ストリートライブなど屋外でつかう予定はない
YAMAHA/THR10IIを買ってよかった点
THR10IIを買ってよかった点は、つぎの5つです。
THR10IIを買ってよかった5つの点
- 音の種類がたくさんある
- アプリで遠隔操作できる
- ベース・エレアコ用でも使える
- スピーカーとしてもかなり高性能
- 部屋のインテリアとしてもおしゃれ
音の種類(エフェクター)がたくさんあって練習が楽しくなる

THR10IIは音のバリエーションがとても豊富なので、ギター練習がいまよりも3倍楽しくなります。
じっさいに筆者はTHR10IIを買ってから一年以上経ちましたが、それまでサボりがちだったギター練習を一日も欠かさずにできています。
それは「もっと練習しなきゃ…」といった、使命感によるものではありません。
THR10IIのおかげで自ら進んでギターを手に取りたくなるほど、自宅練習が楽しくなったからです。
たしかにマーシャルなどの真空管アンプは、音が本格的だし迫力があってカッコいいです。
しかし自宅用としては、なんだか音が単調すぎてギター練習に飽きてしまうんですよね。
かといって、わざわざマンネリ打破のために
- マルチエフェクター
- エフェクターボード
などを買ったり組んだりする気もない…。
ですが、THR10IIならこれらの悩みをたった一台だけで解消できます。
なんとTHR10IIには、
- 3種類のアンプモード
- 8種類のアンプタイプ
- 13種類のエフェクター
- 17種類のキャビネットタイプ
が搭載されているので、幅広い音づくりが可能。
それぞれどんな種類があるのかは、THR10IIのリファレンスマニュアルをチェックしてみてください。
たとえば、筆者がよくつかっている組み合わせはこんな感じです。
アンプモード | アンプタイプ | エフェクター | キャビネットタイプ | 音のイメージ |
BOUTIQUE | HIGH GAIN | HALL REVERB | British 2×12 |
|
Modern | CLEAN | Chorus | California 1×12 |
|
CLASSIC | CRUNCH | なし | Fuel 4×12 |
|
こんなふうに、
- 曲のイメージに合わせる
- 弾き方(奏法)によって音を変える
- あこがれのギタリストっぽい音にする
といった音づくりがしやすいのが、THR10IIならではの強みです。
そうやって自分の求める音が出せることによって、自然とギター練習のモチベーションもアップし、飽きにくくなりますよ。
THR10IIのサウンドをチェックする
ベース・エレアコ用アンプとしても使える
THR10IIをつかってみて地味に便利だなと思ったのが、エレキギターだけでなく、
- エレアコ
- エレキベース
のアンプとしても使いまわせるところ。
ギター一筋の人にはまったくいらない機能ですが、ベースやエレアコも弾く、または今後弾きたいと考えているなら必見です。
というのも、ふつうのギター用アンプにベースをつないで弾くと、アンプがブッ壊れるおそれがあるからです。
じっさいに、かつて筆者にギターを教えてくれた師匠が、マーシャルの真空管アンプに「スティングレイ」というベースをつないで演奏していたことがあります。
するとアンプから「ボンッ」という破裂音がして、それからいっさい音が鳴らなくなりました。
アンプを点検した結果、なかに入っている「コンデンサー」という部品が壊れていたんですね。
自分で修理したから安く済んだものの、楽器屋さんに依頼していたら数万円はかかっていたでしょう。
なにより、せっかく買ったアンプが壊れてしまうのは、精神的にもショックが大きいですよね。
そのため、
- ギター・ベース両方弾く
- 今後ベースにも挑戦したい
という人なら、一台完結するTHR10IIがおすすめですよ。
専用アプリ「THR Remote」で遠隔操作やプリセット保存ができる

THR10IIは専用のスマホアプリ「THR Remote」をつかうことで、遠隔操作ができるようになります。
これによって、
- すこしだけ音量を変えたい
- エフェクトの効き具合を調整したい
といったシーンで、わざわざアンプ本体のツマミまで手をのばす必要がありません。
ひかえめに言って、このTHR Remoteは神アプリです。
というのも、ごくふつうのアンプで音づくりをすると、
- ギターを弾いて音をチェックする
- アンプまで行ってツマミを調整する
- またギターを弾いてみて音をチェックする…
の繰り返しがホントにめんどくさいんですよね。
結局、なかなか思い通りの音がつくれずに練習がイヤになったことなんて、楽器屋さんで売っているピックの数ほどあります。
しかしTHR10IIであれば専用アプリをつかうことで、アンプから離れた場所でもスマホひとつでカンタンに操作ができます。
音づくりで気になるところがあってもタッチ操作だけで調整できるので、めんどくさいと感じることがありません。
しかもTHR Remoteには、じぶんの気に入った音の組み合わせ(プリセット)を保存・読み出しする機能まであります。
求めているサウンドが完成したらアプリ内に保存しておくだけで、いつでもおなじ設定を呼びだすことができます。
まとめるとTHR10IIは、
- 練習のたびに音づくりをする手間
- アンプとギターに行ったり来たりする手間
などが省けて、ギター練習の意欲と効率をグンとアップできる神アンプです。
Bluetoothスピーカーとしても高性能

THR10IIは、Bluetoothスピーカーとしても超優秀です。
さすがに何十万もするような高級オーディオにはかないませんが、それでもかなりの高音質をほこります。
ふだんから、
- イヤホン
- ヘッドホン
- スマホのスピーカー
などで音楽を聴いている人は、度肝を抜かれるでしょう。
そしてTHR10IIの電源をオンにしたときに光るLEDランプが、またカッコいいんです。
うす暗い部屋でお気に入りの音楽を聴きながら、ワインでも飲みたくなる…。そんなおしゃれな雰囲気がただよっていますね。
ギターの練習に疲れたときは、ヨルシカの「ただ君に晴れ」を聴いてリラックスしています。
…お酒は飲めませんがね(笑)
余談ですが、筆者のヨメも「家事をするときに作業用BGMがほしい」といって、いつもTHR10IIをパクります。
「ソニーのイヤホンがあるじゃん」っていうと、「こっちのほうが音がいいから!」といわれてなかなか返してくれません(泣)
それくらいTHR10IIは、スピーカーとしても優秀ということでしょう。
インテリアとしてもおしゃれ

ギターアンプというと、
- 黒くてゴツい
- やたらとサイズが大きい
などと、見た目にわるいイメージを持っている人も多いですよね。
たしかにそういったアンプを部屋に置くと、
- アンプが浮いて見える
- インテリアの統一感がなくなる
という事態になりかねません。
筆者がつかっていたマーシャルのアンプも「インテリアとしてはダサいな…」と、つねづね思っていました。
そんなときこそ、THR10IIの出番。
クリーム色を基調としたシンプルなデザインなので、
- 書斎
- リビング
など、どんな部屋に置いてもマッチします。
本体サイズもスリム設計であるため、ダイニングカウンターに置いて音楽鑑賞を楽しむのもいいですね。
YAMAHA/THR10IIでイマイチと感じた点
一方、THR10IIをじっさいに一年以上つかってみて、「これはイマイチだな…」と思った点はつぎの3つです。
THR10IIを買ってイマイチだった点
- ACアダプター(電源コード)がストレス
- 端子(ジャック)が上向きでホコリがはいる
- アプリが接続しにくい、いきなり解除される
ACアダプター(電源コード)がストレス
これはワイヤレスじゃないタイプのTHR10IIを買った筆者が完全にわるいのですが、意外にも「ACアダプターがジャマだな」と感じることが多かったです。
というのも、THR10IIは本体が小さくて軽いので、どこにでも持ち運んで、
- 音楽を聴きたい
- ギターを弾きたい
という気が起きるからですね。
じっさいに筆者も、
- 実家
- カラオケ
- キッチンカウンター
など、さまざまな場所でつかっています。
ですがTHR10IIは充電バッテリー式じゃないので、つかえる場所がコンセントの周辺に限られてしまうんですよね。
この制約こそが、軽くて持ち運びやすいTHR10IIの利点をつぶしてしまっています。
ずっと同じところでしかつかわない人ならデメリットにはなりませんが、
- カラオケやスタジオでも使いたい
- 家中どこでもギター練習・音楽鑑賞がしたい
という人は、ぜったいにTHR10II WIRELESSを買っておきましょう。
THR10IIより14,000円ほど高いですが、使い勝手の良さはお値段以上ですよ。
▼THR10II WIRELESSはこちら
▼THR10IIはこちら。
接続口(ジャック)が上側についている
これはTHRシリーズすべてに共通する点ですが、
- AUX
- INPUT
- PHONE
などの接続口(ジャック)がすべて本体の上側に取りつけられています。
この仕様によって、ジャック内部にホコリが入りやすいのがデメリットです。
ジャック内にホコリが入ってしまうと、
- 接触不良
- ノイズが発生
など故障する原因となるので、けっこう厄介なんですよね。
そのため、筆者はTHR10IIをつかっていないときはすべてのジャックにプラグを接続しています。
ほかにもアンプ本体に布をかぶせるなどの対処法もありますが、せっかくのおしゃれな見た目が台無しになってしまうのが難点。
また、もうひとつのデメリットとして、
- シールド
- ヘッドホン
などを接続すると、自重によってプラグが根元からグイっと折れ曲がってしまうことも挙げられます。
そのせいで、つくりの悪い安物製品はすぐに根元から断線してしまうでしょう。
- ホコリが入りやすい
- プラグの根元が折れやすい
このふたつのデメリットを考えると、できれば本体の両サイドあたりにジャックを取り付けてほしかったですね。
まとめ:YAMAHA/THR10IIは一台何役にもなる万能なギターアンプ
いかがでしょうか?
この記事を通して、THR-IIシリーズの素晴らしさが伝わったのではないでしょうか。
あらゆるジャンルやプレイスタイルに対応するサウンドバリエーションと、音楽鑑賞にも使える高性能スピーカー、アコギやベースアンプとしても使用可能、アプリで快適/精密な操作、開放感あふれるワイヤレス機能で持ち運びに便利というかつてないほど欲張りなギターアンプです。
自身の生活スタイルや環境に沿った自由な使い方のできる新しいデスクトップアンプを、ぜひとも体感ください。