ディレイは残響系(または空間系)に分類されるエフェクトで、やまびこのような効果でギターサウンドの厚みを増したり、音を伸びやかにすることができ、プロをはじめ多くのギタリストが愛用している定番のエフェクターです。
定番エフェクターだけあって、様々なメーカーから価格や仕様の異なるモデルが発売されており、初心者にとってはどれを選んだら良いか分からないですよね。
今回の記事は、ディレイエフェクターの種類や使い方、おすすめについて解説していきます。
ディレイエフェクターとは?
ディレイ(delay)は、日本語に訳すと「遅延」を意味し、弦をはじいて鳴らした原音と少し遅らせた音を繰り返し出力することでやまびこ効果を得られるエフェクトです。
ディレイには「アナログディレイ」「デジタルディレイ」の2種類が存在し、それぞれディレイ効果を発生させる仕組みや音の性質が異なります。
どちらが良いかは人それぞれの好みに委ねられますが、簡単に特徴をチェックしてみましょう。
温かくまろやかな音色のアナログディレイ
アナログディレイとはアナログ回路が搭載されており、BBD素子と言うパーツを使用してディレイ効果を発生させる仕組みのエフェクター。
遅延音が段々と減衰するため、原音に影響を及ぼさない温かみのある、甘く、まろやかなサウンドになるのが特徴です。
伸びやかで透明感のある音色のデジタルディレイ
デジタルディレイとは文字通りデジタル回路を搭載しており、デジタル演算処理によって遅延音を発生させる仕組みのエフェクター。
遅延音が減衰する事は無いため、伸びやかで抜けが良く、透明感のあるサウンドになるのが特徴です。
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コントロールの操作方法は?
まずは一般的なディレイエフェクターに搭載しているコントロール(ツマミ)の名称とそれぞれの役割(効果)について解説していきます。
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ディレイエフェクターの使い方は?
ディレイはどんなプレイスタイルやシーンでも使える万能なエフェクトですが、基本的な使い方について解説していきます。
音の自然な広がりを生むショートディレイ
ディレイタイムを短めに設定して原音と遅延音を一体化させて音の厚みを増す使い方で、アルペジオ奏法などで活用する機会が多いです。
また、ディレイタイムをごくわずかに設定すれば自然な音の広がりが生まれて、リバーブがわりとしても使えます。
やまびこサウンドを作るならロングディレイ
ディレイタイムを長めに設定して原音と遅延音を完全に分離させることで擬似的にやまびこのようなサウンドを作り、リードプレイやここぞというギターソロで使われます。
アルペジオとも相性が良く、ホワホワとした幻想的な雰囲気になるためイントロやアウトロで使われることも。
音の厚みを増やすならダブリング
ダブリングとは、ディレイタイムを非常に短く設定して1回だけ遅延音を鳴らすことで、あたかも2本のギターで斉奏しているように聞こえる使い方です。
単純に音の厚みを増やしたい時や、スリーピースバンドのギターボーカルなどどんなプレイスタイルやシーンでも有効な活用法です。
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おすすめのディレイエフェクター
ディレイの種類や使い方が分かったところで、ここからはおすすめのディレイエフェクターを紹介していきます。
おすすめのディレイエフェクターは音質がチェック出来る動画付きですので、購入時の参考にしてみてください。
MXR / M169 Carbon Copy Analog Delay
MXR(エムエックスアール)は、ニューヨーク州で1972年に創業・設立したエフェクターメーカー。創業以来、様々な音楽シーンに寄り添ってきた老舗メーカーです。
そんな大ベテランメーカーが作り上げた、アナログディレイの完成形と言っても過言ではない名器が、この「カーボンコピーアナログディレイ」です。
その最大の魅力は、アナログディレイ特有のテープエコーのような温かみのあるディレイサウンドとシンプルで直感的な操作性。
筆者もディレイエフェクターを買う時にあれこれと散々悩みましたが、楽器店で試奏した瞬間に思わず即決してしまったほど魅力的です。
カーボンコピーひとつで伸びやかなギターソロや音の厚みが増したカッティング、ホワホワとした幻想的なアルペジオなどの雰囲気がガラッと変化。
「MOD」というボタンがボディの左上にありますが、これを押すことで音を揺らす効果が得られ、より一層変わった独特の雰囲気が生まれます。
自分のサウンドに物足りなさを感じている人におすすめです。
Effects Bakery / French Bread Delay
可愛らしいフランスパンのイラストが印象的な「エフェクツベーカリー」のディレイエフェクター。
安価ながら高品質なディレイエフェクターで、ボディサイズの小ささやシンプルな操作性による音作りのしやすさ、ギター女子も大満足な見た目の可愛らしさに加えサウンドも申し分無く、値段以上の価値がある逸品です。
コントロール(ツマミ)は、こちらも3種類のみと非常にシンプルな操作性です。
アナログディレイ特有のウォームサウンドが低価格で欲しい人、エフェクターボード内の省スペース化をしたい人、可愛いデザインのエフェクターが欲しい人におすすめですね。
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BEHRINGER / VD400 Vintage Delay
こちらも最高のコスパを誇るディレイエフェクターで、低価格ながらカーボンコピーに引けを取らないディレイサウンドを持っています。
とりあえずディレイを試してみたい初心者におすすめ。
なお、ボディがプラスチック製のため足裏で激しく踏みつけたり、落としたりすると壊れてしまいますので、取り扱いには注意が必要です。
BOSS / DD-8 Digital Delay
定番中の定番であるBOSSの王道デジタルディレイの最新版。
様々な機能を搭載しており、11種類のディレイモードを内蔵。デジタルディレイながらテープエコーを再現したサウンドや原音を録音して再生する機能(ルーパー)、など演奏の幅をグッと広げられる機能が充実しています。
これ1台で多種多様な音色を再現出来るため、各機能やセッティングをいじくり回して試行錯誤するのが非常に楽しいエフェクターです。
音質、豊富な機能、汎用性の高さなどどれをとっても王道エフェクターブランドという期待を裏切らない、正当な進化を遂げた逸品。
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STRYMON / El Capistan
STRYMON(ストライモン)は、アメリカのエフェクターメーカー「DAMAGE CONTROL」が2009年に立ち上げたブランド。
まだ歴史は浅いメーカー(ブランド)ですが、妥協しない製造技術と高性能なサウンドでこれまでの音楽シーンを支えてきました。
このエフェクターの魅力は、BOSS DD-8と同様に汎用性が高い多機能搭載器と言った所でしょうか。
こちらはデジタルディレイで、現代的・機械的なギャンギャンとしたサウンドやクリアなディレイサウンドはもちろんの事、アナログディレイやテープエコーのような温かみサウンドも再現可能で、一台で二度も三度も美味しい良いとこ取りなエフェクターです。
一台でデジタルとアナログ、どちらのディレイサウンドも欲しいという人におすすめです。
ZOOM / MS-70CDR MULTI STOMP
MS-70CDRは空間系など(ディレイ、コーラス、フランジャー、リバーブなど)のエフェクトを86種類も搭載した小型のマルチエフェクターです。
しかも10000円以下で手に入るというコスパ最強のエフェクターです。
サウンドの幅がとても広く、テープエコーのような温かみのあるものから、飛び道具的な使い方まで出来る万能選手です。
これ一台で空間系エフェクトは全てまかなえる上、ボディサイズがBOSSのコンパクトエフェクターより少し大きい程度。
空間系エフェクトがどんなものか体感したい、設定を調整して効果を覚えたい初心者や、歪み系エフェクターにこだわりたいから空間系エフェクターは一台でコンパクトにまとめたいという人におすすめです。
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最後に
お気に入りのディレイエフェクターは見つかりましたか?
初心者は今回紹介した定番エフェクターを買って試してみて、そのまま長く使うも良し、独創性を求めるもよし、憧れのギタリストに近付けるもよし、良きパートナーとなるエフェクターを見つけてくださいね。