ギターボーカルってカッコイイですよね。ギターを弾き鳴らしながら魂を込めて歌う様は、どんな人が見ても非常に魅力的だと思います。
そんな姿に憧れて実際にやってみると、これがなかなか難しい。いざバンドを組んでギターボーカルになったものの、ギターとボーカルの両立が出来ずに挫折してしまう方も多いです。
そこで今回は、ギターボーカルに関する以下の内容について解説していきます。
- ギターボーカルとは?
- ギターボーカル向きギターの条件は?
- おすすめのギターは?
- ギターボーカルのコツは?
- ギターボーカルにおすすめの練習曲は?
ギターボーカルとは?
ギターボーカルとは、バンドでギターを演奏しながらボーカルも兼任するバンドの顔と言える存在です(フロントマンなんて呼ばれたりもしますね)。
まず前提としてギターボーカルにおよそ2つのタイプがあり、「ギターも弾けるボーカリスト」と「歌も歌えるギタリスト」が存在します。
ギターが一人しかいないスリーピースバンドでは後者の「歌も歌えるギタリスト」が必須ですが、曲の伴奏とメロディ部分も担当するので難易度が非常に高いです。
今回は比較的難易度の低い「ギターも弾けるボーカリスト」に焦点を合わせた解説をしていきます。
ギターボーカル練習の3つのコツは?
結論から言うと、ギターボーカルのコツとして大事なのが、
- 歌詞をしっかりと覚える
- 手元を見ないでコードを押さえられるようにする
この2つです。
まずはこの2つをそれぞれ習得してから、初めて“歌とギター同時に練習”しましょう。
歌詞をしっかりと覚えよう
ギターボーカル初心者がやってしまいがちなNG練習方法は、いきなり歌とギターを同時に練習することです。
ギターボーカルや弾き語りはご存知の通り、歌とギター2つを同時にこなす必要があります。
歌詞を正確に覚えていないと、歌詞を思い出すことに意識を割かないといけないため、歌やギターの演奏がおろそかになってしまいます。
そのため、まずは歌のみを繰り返し練習して無意識でもスラスラと歌えるようにしましょう。
手元を見ないでコードを押さえられるようにしよう
リードギターとは違って、ギターボーカルは主にマイクに向かって歌いながらコードストローク(コードを押さえてジャカジャカ弾くこと)が基本動作となるため、曲のわずかな間隔でしか手元を見ることができません。
まずは歌わずにコードを押さえてストロークする練習をしましょう。
手元を見ないでコードが押さえられるようになったら、鼻歌で歌いながらギターを演奏してみましょう。
鼻歌とギター演奏が形になったら、ここで初めて歌とギターを同時に練習しましょう。
あとは1曲通してスムーズに歌と演奏が出来るまでひたすら反復練習しましょう。
いまはスマホアプリでメトロノームが無料で使えるので、メトロノームに合わせて練習するとより効果的です。
歌いながらギターを弾くことに慣れないうちは難しいと感じるかもしれませんが、ここで述べたことを踏まえて反復練習をすれば必ず上達します。
[ad]
ギターボーカルのおすすめ練習曲
本来であれば、自分の好きな曲を練習するのが一番ですが、曲によって難易度が異なります。
いきなり難しい楽曲に挑戦すると挫折の原因になるので、まずは比較的簡単な楽曲に挑戦してみましょう。
簡単な楽曲として挙げられる条件はこちら。
- 難しいコードを多用しない
- コードチェンジが少ない/簡単
- 曲のテンポはゆっくり過ぎず、早過ぎない
- 歌詞やメロディを覚えやすい
では早速、これらの条件に合う練習曲を紹介していきます。
チェリー / スピッツ
日本の国民的ロックバンド「スピッツ」の代表曲のひとつですね。ギターを弾いている人でもそうでない方も聞き馴染みのある名曲です。
ギターボーカルや弾き語り入門曲としても有名ですね。
チェリーは5つのコード(C、G、Am、Em、F)のみで演奏できるうえにコードチェンジが慣れれば簡単なため、初心者に超おすすめです!
強いて言えば、初心者最大の壁「Fコード」で構成されているのがネック。もしFコードが難しい場合は、簡易コードでも構いません。
小さな恋のうた / MONGOL800
沖縄出身のメンバーで結成されたパンクバンドの名曲ですね。
こちらも5つのパワーコードのみで演奏できるため、おすすめの楽曲です。
但し、冒頭部分がブリッジミュートをしつつ、ダウンピッキングのみで演奏するため、ここが唯一の難所と言えます。
曲自体のテンポも少し早めですので、まずはゆっくりなテンポで確実に練習していきましょう。
[ad]
粉雪 / レミオロメン
冬になると聴きたくなる、レミオロメンの代表曲のひとつですね。
比較的、コードの構成がシンプルで、テンポもゆっくりなので、焦らずに確実に1弦1弦しっかりとピックを当てて、音を鳴らすように心がけましょう。
歌に関しては、男性にとって粉雪のサビ部分のキーがかなり鬼門ですが、喉を出来るだけ大きく開いて遠くに声を飛ばす要領で歌いきりましょう。
くれぐれも練習で喉を潰さないように、無理なく行いましょう。
※練習の時は1オクターブ下げた方が、負担が少ないです。
マリーゴールド / あいみょん
いまをときめく大人気女性シンガーソングライター「あいみょん」の代表曲とも言える名曲です。
特に難しいコードもなく、コードチェンジも単純なので、楽しく演奏しながら上達を目指しましょう。
歌に関しては、曲調的にも甘く優しく、且つ軽快なリズムで歌いましょう。
女性の弾き語り、ギターボーカルの練習曲にピッタリの曲です。
[ad]
CHE.R.RY / YUI
甘くせつない感情が込められた歌詞、メロディが特徴である、女性シンガーソングライター(当時)YUIの代表曲。
現在はバンドのギターボーカルを務めていますが、シンガーソングライター当時のこの曲は、未だに根強い人気を誇る名曲です。
非常にシンプルな曲構成で、特に難しいポイントはありません。
歌に関しては、曲の雰囲気を壊さないようにメリハリをつけて歌いましょう。特に落ちサビの部分は甘く囁くように歌うと、切なさ、もどかしさが存分に表現され、より曲としての完成度が高くなります。
ドントルックバックインアンガー / オアシス
イギリスの国民的ロックバンド「OASIS(オアシス)」の代表曲のひとつ。
現代ロックバンドの始祖とも言うべき存在の「THE BEATLES(ザ・ビートルズ)」の影響を多大に受けた温かみのある雰囲気のバンドサウンドが特徴です。
コードに関しては非常にシンプル。王道コード進行で構成されており、複雑なコードチェンジもありません。
歌に関しては、気持ち良く、高らかに歌いましょう。大サビの最後の部分は優しく裏声で囁くように歌うと、歌詞の通り、昔をしのぶ懐かしさ、切なさが溢れ出て曲の終わりがグッと引き締まります。
ギターボーカルのおすすめギター
ギターボーカルのギターに必要な条件がわかったところで、ここからはギターボーカルにおすすめのギターを紹介していきます。
Fender / Stratocaster
「フェンダー・ストラトキャスター」はフェンダーの代名詞にしてエレキギターの王道とも呼べる代表的な存在。
シングルピックアップを「フロント/センター/リア」に3基搭載したモデルが多く、繊細でクリアなサウンドが特徴。
「ダブルカッタウェイ」と呼ばれる2本のツノが生えたようなボディ形状も特徴的で、ハイポジションに手が届きやすく高音のフレーズが弾きやすいです。
ボディの重量バランスも非常に良く、座った状態での演奏、立った状態での演奏どちらも安定しており、自宅練習やライブでも万能に活躍します。
ストラトキャスター使用ギターボーカル
ストラトキャスターを使用しているギターボーカルは国内外問わず多数存在します。
- ジミ・ヘンドリックス
- エリック・クラプトン
- ジョン・メイヤー
- Char
- 斎藤宏介/UNISON SQUARE GARDEN
など
Fender / Telecaster
「フェンダー・テレキャスター」は、ストラトキャスターよりも長い歴史を持つエレキギター。古くからの伝統的なスタイルを継承しながらも、現代において定番のギターとして多くのプレイヤーから親しまれています。
フロントとリアに搭載した2基のシングルピックアップによって奏でるサウンドは、ストラトキャスターとはまた一味違うジャキジャキッと歯切れの良い響きを持っています。
また、アコースティックギターに近い絶妙なボディバランスにより、ジャカジャカとコード弾きをするギターボーカル用や伴奏ギターとして不動の地位を築いています。
テレキャスター使用ギターボーカル
テレキャスターは前述の通り、定番のギターボーカル用ギターとして絶大な人気を誇り、特に邦ロックにおいて愛用しているプレイヤーは多数。
- 布袋寅泰
- 向井秀徳/NUMBER GIRL
- 岸田繁/くるり
- 志村正彦/フジファブリック
- 橋本絵莉子/チャットモンチー
など
[ad]
Fender / Jaguar
「フェンダー・ジャガー」は、ストラトキャスターやテレキャスターほど定番ギターでは無いものの、ニルヴァーナのカートコバーンが使用した事がキッカケで大注目を浴び、以降グランジロックやオルタナロックなど特定のジャンルにおいて支持を集めています。
特徴はなんといっても、ジャガーにしか装備されていない専用のシングルピックアップが奏でる鋭いエッジの効いたサウンドで、程よくボーカルの声を引き立てます。
ボディの形状も特徴的で、オフセットボディと呼ばれる左右非対称のシェイプにより重量バランスが良く、立ち/座りどちらのスタイルでもギターを弾きやすいです。
ストラトキャスターやテレキャスターなどの王道ギターとは一味違った路線を進みたい人におすすめ。
ジャガー使用ギターボーカル
- カート・コバーン/NIRVANA
- ジャン・ケン・ジョニー/MAN WITH A MISSION
Fender / Jazzmaster
「フェンダー・ジャズマスター」はジャガーの兄分にあたるエレキギターで、名前の通りジャズの定番となるべくして開発されました。
しかし、ジャズマスターという名前とは裏腹にハリのあるロック向けのサウンドが評価され、ロックギターの定番となりました。
ジャガー同様、ジャズマスター専用のピックアップを搭載しており、ギブソンのP-90の様な見た目のシングルコイルピックアップで、まろやかな甘いトーンとハリの強い野太いサウンドが特徴。
ボディの形状がジャガーとよく似ていますが、少し尖っているジャガーに対してジャズマスターはやや丸みを帯びたシェイプです。
Rの強いネックの形状により、リードギターにはあまり向かず、コードストローク向きのギターとして優秀な一本。
Gibson / ES-335
「ギブソン・ES-335」は元オアシスのノエル・ギャラガー氏を始め世界中の名だたるギタリストが愛用していますが、とても万能で優秀なギターです。
1958年に登場して以来、1度も生産中止すること無くセミアコの定番器として今日まで君臨してきました。
レスポールの様な見た目をしたギブソンの標準的なピックアップと、響きを強くする「fホール」から放たれるサウンドは、クリーンやクランチ気味で掻き鳴らせば澄んだ甘い音色、歪ませれば甘くてやや太めの温かい音色で、ジャズ・ロック・ポップスからブルースまでどんなジャンルでもこなせます。
その上、ボディ内部が一部空洞になっているセミアコと呼ばれるタイプのため、ギター本体が非常に軽いところもギターボーカルとしては有難い点ですね。
ES-335使用ギターボーカル
- エリック・クラプトン
- ノエル・ギャラガー
- 福山雅治
など
ギター教室で講師の指導を受けるのも一つの手段
どんな練習をやってもあんまりうまくいかない、なんだかマンネリ化してきた、ギターの事を教えてくれる人が身近に居ない、そんなこともあると思います。
もしどうして行き詰まってしまったら、ギターを教えてくれるプロの講師に頼るのもひとつの手段です。
[ad]