アパートやマンションでアコースティックギターを弾きたいけど、
- 近所迷惑にならないか
- 騒音で苦情を入れられないか
などが不安になりますよね。
もしもアコギが原因でご近所さんと騒音トラブルになれば、最悪の場合、退去させられてしまうことも。
でもせっかくなら、じぶんの家で快適にアコギを楽しみたいですよね。
そこで今回は、アパート住み×ギター歴5年の筆者がつぎの内容をお伝えします。
この記事の内容
- アコギの騒音レベル
- うるさいアコギの騒音対策
結論、アコギの騒音対策を大きく分けるとつぎの3つの方法があります。
アコギの騒音対策
- アコギの「音」そのものを小さくする
- 自宅とはべつの場所でアコギを演奏する
- 近所にアコギの音が聞こえないようにする
本記事ではそれぞれの対策法についての、
- 手間
- 予算
- 消音効果
もあわせて解説していきます。
あなたの環境にもっとも合っている騒音対策法を選んで、実践してみてくださいね。
もくじ
アコギの騒音レベル(デシベル)はどれくらい?
アコギというと「音がうるさい」なんてイメージがある楽器ですよね。
でもじっさいに音の大きさを数値化すると、どれくらいなのでしょうか。
結論から言うと、アコギを「ジャラーン」とフルパワーでかき鳴らしたときの音量は、およそ90dB(デシベル)ほど。
ちなみに「90dB」という数字がどれくらいの音量なのかというと、
- 犬の鳴き声
- パチンコ屋の店内
- カラオケボックス
などと同じくらいです。どれもうるさくて不快に感じる「騒音」ですよね。
とはいっても、自宅でアコギを弾いた場合は、90dBの音がダイレクトにご近所さんの耳に届くわけではありません。
じっさいには、
- 壁
- 窓のスキマ
などを通過するので、音は20~40デシベルほど小さくなります。
そのため、近隣住民に聞こえるであろうアコギの騒音レベルを単純計算すると、
アコギの騒音レベル
90dB-(20~40dB)=50~70dB
くらいです。
なお、環境省の「騒音に係る環境基準」では、つぎのように定められています。
環境基本法によると…
ふつうの住宅街などでは、
- 昼間(午前6時~午後10時まで)
⇒ 55dB以下 - 夜間(午後10時~午前6時まで)
⇒ 45dB以下
におさえなければならない。
つまり、各時間帯にこれを上回る音量を出すと法律的に騒音だと認められてしまうわけです。
話を戻しますが、アコギの音量は壁や窓のスキマを通過すると50~70dBほどでしたね。
したがって、アコギの音はしっかりと対策をしておかないと、ほとんどの家庭において騒音製造器となってしまうことがわかります。
アコギの騒音対策4選【音を小さくする】
ここからは、アコギの騒音対策方法をおおきくつぎの3種類に分けて紹介します。
もっとも手軽に騒音対策できる方法は、アコギから鳴る音を物理的に小さくすること。
なぜなら、そこまで手間や費用などのコストがかからないからです。
もちろん、ほか2種類のほうがコストがかかるぶん、対策の効果は大きくなります。
なので、まずはあなたが「これならできそう」と思えるアコギ騒音対策から始めてみてくださいね。
「弱音器」をつかう
効果の大きさ | 必要な費用(最安値) | 対策にかかる手間 |
(さほど効果は大きくない) | ¥520(サウンドハウス) | (手間はかからない) |
弱音器(じゃくおんき)は、ギターのブリッジ側の弦にはさみこんでつかう騒音対策グッズ。
これを取りつけることによって弦の振動を抑えられるので、アコギの音があまり響かなくなります。
アコギの種類にもよりますが、だいたい5~10dBほどの消音効果があります。
さらに取り付けもカンタンにできて価格も高くないので、まずは弱音器での騒音対策がおすすめですよ。
「サウンドホールカバー」をつかう
効果の大きさ | 必要な費用(最安値) | 対策にかかる手間 |
(効果は少ない) | ¥780(Amazon) | (手間はかからない) |
サウンドホールカバーは本来、アコギ内部にホコリなどが入らないようにするための商品。
ですが、音を響かせるためのサウンドホールを密閉できるという特徴によって、わずかに消音効果があります。
とはいっても、効果はほんの1~5dBくらいなので、あまり過信しすぎないほうがいいでしょう。
とはいえ、弱音器やほかの騒音対策とあわせてつかうことでさらなる消音効果が見込めます。
すこしでも騒音トラブルへの不安を解消したい人は、サウンドホールカバーもおすすめですよ。
「サイレントピック」をつかう
効果の大きさ | 必要な費用(価格) | 対策にかかる手間 |
(効果がある) | ¥579(サウンドハウス) | (まったく手間はかからない) |
サイレントピックは、
- 特殊な切り抜き加工
- ペラペラのやわらかい素材
によって、弦をはじいたときの音量をおさえてくれる騒音対策グッズ。
その消音効果は大きく、およそ30~40dBほど軽減することができます。
ただしサイレントピックは、ふつうのピックとは弦をはじいたときの感覚がまったく異なるのが難点。
そのため、
- ペラペラすぎて単音弾きができない
- 慣れるとほかのピックで弾きにくくなる
といったデメリットもあります。
とくに初心者さんはアコギの上達を妨げないためにも、
と使い分けるのがおすすめですよ。
「サイレントギター」をつかう
効果の大きさ | 必要な費用(価格) | 対策にかかる手間 |
(とても効果が大きい) | [star15] ¥62,700~(サウンドハウス) | (まったく手間はかからない) |
サイレントギターはボディが枠組みしかなく、生音がうるさくないヤマハ製のアコギ(エレアコ)。
ギター用ヘッドホンにつなぐことで、深夜でも近隣住民に遠慮することなくアコギの演奏を楽しむことができます。
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価格が高いのがデメリットですが、それをしのぐほどの騒音対策としての効果が得られます。
- ぜったいに騒音トラブルを避けたい
- でもアコギ本来のサウンドもゆずれない
- 時間帯や場所を気にせずにアコギを弾きたい
という人は、いますぐにサイレントギターを買わないと後悔しますよ。
アコギの騒音対策5選【部屋を防音仕様にする】
ここまで紹介したアコギの音を小さくする方法は、騒音対策としてはとても効果的です。
しかしデメリットとしては、
- 弾き心地が変わってしまう
- 愛用のアコギを弾けなくなる
- 本来のサウンドが楽しめなくなる
という点があげられます。
いくら騒音対策のためとはいえ、「いつもどおりの感覚でアコギを弾きたい」という人は多いでしょう。
そんなときにおすすめの方法が、部屋を防音仕様にカスタマイズすること。
すると当然、アコギをいつもどおりジャカジャカとかき鳴らしても、近隣住民に音が聞こえにくくなります。
つまり、
- アコギを弾く楽しさ
- 近所との騒音トラブルを避ける
のふたつの要素を両立させることができるのです。
ちなみに「防音仕様」とはいっても、
- 音楽スタジオ
- ライブハウス
- コンサートホール
などのような大掛かりな設備は必要ありません。
ここでは、自宅でもカンタンにはじめられる以下のアコギ防音(消音)対策を紹介していきます。
アコギ防音対策5選
- 「遮音カーテン」を設置する
- 「すきまテープ」で窓やドアを埋める
- 「防音マット」を演奏スペースに敷く
- 「吸音材+遮音シート」を設置する
- 「組み立て式防音室」を設置する
「防音カーテン」を設置する
効果の大きさ | 必要な費用(価格) | 対策にかかる手間 |
(効果がある) | ¥3,000~(Amazon) | (手間がすこしかかる) |
防音カーテンは、室内から発生した音が屋外に漏れるのを防いでくれるカーテン。
とくに窓ガラスはすき間ができやすい構造なので、防音カーテンは騒音対策としてとても有効なアイテムです。
アコギやエレキギターなど高音域の楽器では効果がでやすい一方で、
- ドラム
- ピアノ
- エレキベース
などの振動や重低音は防ぐことができません。
アコギのほかにこれらの楽器も弾く予定がある場合は、このあと紹介する防振マットなどの騒音対策もあわせて検討してみましょう。
「すきまテープ」で窓やドアの隙間を埋める
効果の大きさ | 必要な費用(価格) | 対策にかかる手間 |
(効果がある) | ¥990~(Amazon) | (けっこう手間がかかる) |
すきまテープは、窓やドアのすき間に張り付けることによって、部屋の外への音漏れを防ぐアイテム。
設置後の防音効果は大きいものの、ひとつの窓やドアに対してすべての面にテープを設置しないといけないので、それなりの手間がかかるのがデメリットです。
ただ価格はそれほど高くないので、防音対策としては取り組みやすいのがおすすめポイントです。
「防振マット」を敷く
効果の大きさ | 必要な費用(価格) | 対策にかかる手間 |
(そこそこ効果がある) | ¥3,000~(Amazon) | (手間はかからない) |
防振マットは、楽器などによって床や壁をとおして伝わる音の振動を防ぐためのマットです。
アコギを演奏する部屋の床一面に敷きつめることで、防音効果が見込めます。
アパートやマンションなど集合住宅の上層階に住んでいるなら、下の階との騒音トラブル防止としておすすめの対策。
「吸音材+遮音シート」を設置する
効果の大きさ | 必要な費用(価格) | 対策にかかる手間 |
(すごく効果が大きい) | ¥3,000~(Amazon) | (設置に手間がかかる) |
吸音材は音の振動を吸収して和らげるもので、遮音シートは文字どおり音を遮断するためのアイテムです。
遮音シートだけでも室外への音漏れを防ぐことはできますが、より効果を高めるために吸音材もいっしょに取り付けることをおすすめします。
なぜなら、遮断するだけだと部屋のなかで音が跳ね返りつづけるので、
- 聴き疲れしやすくなる
- アコギの演奏が不協和音に聞こえる
などの原因となるからです。
吸音材を設置することで跳ね返った音を弱めるため、結果的に防音効果が高まり、聞こえる音もよりクリアに。
できればアコギを演奏する部屋一面に設置するのが望ましいですが、かなりコストがかかってしまいます。
予算をおさえたい場合は、
- となりの家
- 同居人の部屋
などに面した一部の壁への設置だけでも、騒音対策としての効果が期待できますよ。
「組立式防音室」を設置する
効果の大きさ | 必要な費用(価格) | 対策にかかる手間 |
(とても効果が大きい) | ¥128,000~(サウンドハウス) | (組み立てに手間がかかる) |
組み立て式防音室は、パーツを組み立てるだけで自室の一角に防音室を設置できるというスグレモノ。
さすがにグランドピアノを収納できるほどのスペースはありませんが、アコギなら防音室内に持ち込んで演奏ができます。
これまでのアコギ騒音対策のなかでも高額ですが、それに見合った最強の防音性能をほこります。
またアコギ演奏用のほかにも、
- テレワーク
- ゲーム部屋
- 作詞、作曲・DTM
といった使い道も。
そのため、
- 騒音対策としての性能
- 一台何役にもなる使い勝手の良さ
どれをとってもコスパは高いといえるでしょう。
さらに、さきほど紹介した遮音シートや吸音材を組み合わせることで、ふつうの家とは思えないくらいの防音効果を発揮します。
- 24時間いつでもアコギを弾きたい
- 自宅で気兼ねなく弾き語りをしたい
- 近所や同居人には迷惑をかけたくない
という人は、ぜったいに組み立て式防音室を使うべきですよ。
アコギの騒音対策3選【自宅以外の場所で練習する】
どうしても騒音が心配で、対策をしてもじぶんの家でアコギ練習ができない場合もありますよね。
そんなときは、自宅以外のつぎのような場所でアコギを弾く方法がおすすめです。
- 公園
- カラオケ
- 音楽スタジオ
公園や河原などの屋外で練習する
効果の大きさ | 必要な費用(価格) | 対策にかかる手間 |
(とても効果が大きい) | (無料) | (移動の手間がかかる) |
自宅近くの
- 公園
- 河原
- 広場
などでアコギの練習をするのも、騒音対策としておすすめです。
演奏スペースも十分に確保できるうえ、あるていど大きな音で弾いても周囲の民家までは届きません。
ただし、こういった施設でのアコギ練習には、
- 移動の手間や負担がかかる
- 他人に見られるかもしれない
- 自宅周辺にピッタリな場所がない
などのデメリットもあります。
とはいっても無料で練習ができるので、これらの要素が負担にならなければ、もっともコスパが高いアコギ騒音対策といえるでしょう。
カラオケで練習する
効果の大きさ | 必要な費用(価格) | 対策にかかる手間 |
(とても効果は大きい) | (毎回1,000円ほどかかる) ※ 店舗や地域による | (とても移動の手間がかかる) |
近所のカラオケボックスにアコギを持ち込んで練習するのも、騒音対策としておすすめの方法です。
じつはカラオケボックスの部屋そのものは、あまり防音されていません。
ですが、ほかの客もだいたいカラオケで盛り上がっているので、アコギを思いっきりかき鳴らしても聞こえないようですね。
じっさいに筆者も、よくカラオケで「ハミングバード」というドレットノートをつかって弾き語りをやっています。
これがなかなかに音がうるさいのですが、カラオケなら全力でストロークしても文句を言われることもありません。
しかも公共の施設のように、ほかの人に練習風景を見られることもないので、より集中して練習ができます。
ただし、フリータイムで入場しても一回の練習につき、およそ1,000円ほどの予算が必要なのがデメリット。
とはいっても音楽スタジオよりは安上がりなので、
- 外で弾くのは恥ずかしい
- でもなるべく安く済ませたい
- まとまった時間で練習したい
という人は、カラオケボックスでアコギの練習をするのがおすすめですよ。
音楽スタジオで個人練習する
効果の大きさ | 必要な費用(価格) | 対策にかかる手間 |
(とても効果が大きい) | (1H/500~1,000円くらいかかる) ※ 店舗や地域による | (とても移動の手間がかかる) |
- 外で演奏するのは恥ずかしい
- カラオケは演奏スペースがせまい
- アンプなどしっかりした設備がほしい
という人は、音楽スタジオで個人練習をするのがおすすめです。
料金は1時間=500~1,000円ほどかかってしまいますが、
- 防音性能が高いので思いっきり弾ける
- アンプやマイクをつかったライブのような演奏ができる
などのメリットもあります。
毎日通うのはコストがかかりすぎるので、羽を伸ばしたいときに騒音対策も兼ねて利用するといいでしょう。
まとめ:アコギの騒音対策をして賃貸アパートやマンションでも演奏をたのしもう
今回は、アコギの騒音対策方法を12個紹介しました。
アコギは人の心を豊かにできる楽器ですが、演奏する側はまわりの家や人に対して騒音とならないように配慮するのがマナーです。
最後にもう一度、アコギの騒音対策方法をおさらいしておきましょう。
アコギの騒音対策【音を小さく】
- 弱音器をつかう
- サウンドホールカバーをつかう
- サイレントピックをつかう
- サイレントギターをつかう
アコギ防音対策5選
- 「遮音カーテン」を設置する
- 「すきまテープ」で窓やドアを埋める
- 「防音マット」を演奏スペースに敷く
- 「吸音材+遮音シート」を設置する
- 「組み立て式防音室」を設置する
アコギ騒音対策【自宅以外の場所で演奏】
- 公園で練習する
- カラオケで練習する
- スタジオで個人練習する
本記事の内容を参考に、あなたにピッタリの方法で騒音対策をしていきましょう。