エレキギターとは違って電源を必要としないため、ギターのみで場所を選ばず手軽に演奏を楽しめるアコギ。
しかしひとくちにアコギとは言っても種類は様々で、 初心者にとっては何を基準にアコギを選べばいいか分からないと思います。
これからアコギを始める初心者のため、自分に合ったアコギの選び方とおすすめのアコギについて解説していきます。
もくじ
アコースティックギターとは?
アコースティックギターはエレキギターとは異なり、電子部品を使用せずにボディの響きで音を鳴らすギターを指します。
アコースティックギターの中でもスチール製の弦を張ったギターを「フォークギター」、ナイロン製などの弦を張ったギターを「クラシックギター/ガットギター」と呼びます。
もっとも、現在では「フォークギター=アコースティックギター」という認識が一般的ですね。
フォークギターはロックやポップなど幅広く使用され、ボディのサイズや形状の違いなど様々な種類があります。クラシックギターに比べて音量が大きく、力強い音色が特徴。
クラシックギターはその名の通り、クラシック演奏時などに使用される機会が多く、甘く優しい音色が特徴です。
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ボディサイズで選ぶ
アコギにはボディの大きさや形が異なるタイプが2種類あり、「ドレッドノートタイプ」と「フォークタイプ」に大きく分けられます。
もっとも、初心者のうちはあまりこだわらなくても大丈夫。なんとなく形が好きとか抱えやすい、ネックが握りやすいなど直感的に決めても問題ありません。
ネットで購入する際はサイトに記載している寸法などではわからない部分も多いので、出来れば楽器店などで実際に触ってみたり抱えてみることをおすすめします。
ドレッドノートタイプ
ドレッドノートは有名な老舗アコギメーカーの"マーチン"が発売した「D-28」が基となるボディタイプで、アコギのなかではもっとも定番といえるタイプでもあります。
イギリスの大型戦艦が由来で、名前の通りボディが大振りで厚みがあり、くびれの小さい形が特徴。
小柄な人だと右腕の動きが窮屈なため、やや弾きにくいかも知れませんね。
音色は低音が太く、ガツンと来る力強い響きがジャカジャカとかき鳴らすストロークプレイや弾き語りにおすすめのタイプです。
フォークタイプ
ボディサイズはドレッドノートタイプに比べるとやや小さめで、ボディのくびれが大きいのが特徴。
ドレッドノートタイプがやや大きい、腕が窮屈だと感じる人はフォークタイプのアコギを選びましょう。
音は繊細できらびやかなものが多く、指弾きやアルペジオ奏法などと相性が良いボディサイズです。
ライブをするなら"エレアコ"も視野に入れる
ライブをやる前提、またはやりたいと思っているなら「エレアコ」もおすすめです。
エレアコとは、アコースティックギターにピックアップ(マイク)を標準装備し、シールドなどを繋ぐことでアンプから音を出せるようにしたもの。
ライブ会場など大音量を必要とする場面で簡単に音量調整が出来るうえ、自由にステージ上や会場内を動き回れるので通常のアコギよりも有利です。
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メーカーで選ぶ
「アコギっていっぱい種類があり過ぎて、どれを選べばいいか分からない」という人は、これらの有名メーカーのギターを選べば膨大な選択肢をギュッと絞れるでしょう。
そのうえ、ギターによって個体差などはあるものの、大手メーカーであれば例え安価でもそれなりに品質が安定しています。
Martin (マーチン)
1833年創業の長い歴史を誇る老舗アコギメーカーで、ギブソンと並ぶほどの世界的トップブランドとして名高い。
アコースティックギターの原型を作り出したといえるほど、アコギを語る上では絶対に外せないメーカーです。
代表モデルは「D-28」や「D-35」などで、後述するヤマハやヤイリ、モーリスなどの国内メーカーもこれらのモデルを参考に開発しています。
Gibson (ギブソン)
マーチンとならんで2大アコギメーカーとうたわれるアメリカの老舗ギターメーカー。
先述した「J-45」や「SJシリーズ」、「ハミングバード」などが代表的。
歴代のスター達がこぞって使っており、ギタリストなら誰もが憧れるブランドです。
世代やジャンルを問わずに支持を集めていますが、特にバンドボーカルや弾き語りアーティストに好まれるギターが多いです。
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Epiphone (エピフォン)
エピフォンはもともとギブソンとギター市場で競っていたメーカーでしたが、現在はギブソン傘下で5万円前後程度の安価なモデルを中心に展開しているブランドです。
本家ギブソンと同じモデルが低価格で手に入るので、ギブソンギターが欲しいけど手が出しにくい初心者にもおすすめです。
YAMAHA (ヤマハ)
言わずと知れた日本が誇る電子楽器メーカー。原点とも言える"FG/FSシリーズ"が代表的で、現代の音楽シーンを支える老舗。
日本人の体型に合わせた設計によってより抱えやすく、弾きやすいギターを実現しています。
ヤマハのギターは比較的安価ながら丁寧な仕上がりで弾きやすく、音も良いので初心者にもおすすめです。
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Taylor (テイラー)
アメリカカリフォルニア州で設立したギターメーカー。
"814ce"や"214ce-Koa"などのエレアコが代表的で、いまやギブソンやマーチンと並ぶトップブランドと評されており、アメリカ国内でトップクラスのシェアを誇っています。
"テイラーネック"と呼ばれる独自のネックジョイント構造など、安定した演奏性を追求したギターが数多くのギタリストに高く評価されています。
Morris (モーリス)
モーリスは長野県松本市に本拠を置く"モーリス楽器製造株式会社"が保有するアコギの自社ブランドです。
初心者向けの数万円台のモデルからプロフェッショナル仕様のハンドメイド品、美しい装飾が施されたカスタム品など幅広く取り扱っており、どのモデルも一貫して高い品質を誇ります。
豊富なラインナップのなかでもフィンガーピッキングスタイルに特化した"Sシリーズ"が有名で、弦のテンションやネックの材質、弦高に至るまで指弾きしやすいようにこだわり抜いた設計が特徴。
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K.YAIRI (ヤイリ)
ヤイリは1935年創業の非常に歴史深い"ヤイリギター株式会社"が保有する自社ブランドです。
高い品質を誇る国内メーカーで、製造工程では機械の使用を最小限に抑え、数十人の職人達のによってハンドメイドで行われています。
メーカーサポートも充実しており、ヤイリ製ギターの永久保証サービスを採用しています。
消耗品の交換や人災、自然災害による汚損/破損などを除いては永久的に保証してくれる驚異のサービスで、ヤイリ製ギターを長く使って欲しいというメーカーの熱い思いがひしひしと感じられますね。
Takamine (タカミネ)
タカミネは1959年創業の長い歴史を持つ"高峰楽器製作所"が保有しているエレアコをメインに据えた自社ブランドで、海外でも高い評価を受けています。
日本でも有名なイーグルスの"ホテル・カリフォルニア"のレコーディング時に、イントロ部分でタカミネの"12弦ギター"が使用されていたそうですね。
タカミネエレアコの心臓部ともいえる独自開発の"パラスティック・ピックアップ"は音のバランスに優れ、1音1音の粒立ちが非常に良いため、他にはないクリアなサウンドを実現します。
価格は10万円を超える製品が多いものの、ラインナップはどれも高級品質で一生ものと言える代物ばかりです。
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予算で選ぶ
物の価値観は人それぞれで、ギターに掛けられる金額も人によってもちろん異なりますよね。
こちらの記事でタイプ別の予算目安について解説していますので、参考にして見てください。
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目標/目的で選ぶ
目標・目的で選ぶとは、「自分がアコギでどんなことをしたいか」「憧れの誰かのようになりたい!」「カッコよくソロギターを弾きたい!」と言った具合に、目標や目的を具体的に定めてそれに適したギターを選ぶ方法です。
私が最初にアコギを買った時は、「斉藤和義やノエル・ギャラガーのようにカッコよく弾き語りをしたい!」という明確な目標が定まっていたので、「じゃあ弾き語りにピッタリなドレッドノートタイプにしよう」と膨大な選択肢をギュッと絞ることができます。
また、明確な目標を持つ事はアコギを練習する上でのモチベーション維持にも繋がります。
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【低価格】おすすめのアコギ(エレアコ)
低価格帯のアコギが欲しい人は、こちらの記事で紹介していますので参考にしてみてください。
【定番】おすすめのアコギ(エレアコ)
Martin D-28 STANDARD
ビートルズやボブ・ディランなど伝説のアーティストが使用していた名器で、もはやアコースティックギターの代名詞といっても過言ではない大定番品です。
老若男女、ジャンルを一切問わず万能に活躍するドレッドノートタイプのアコギで、一生もの間違いなしの1本。
Martin LX1 ミニギター
通称"リトルマーチン"と呼ばれるマーチンのミニアコ。
小型ながらさすがはマーチンのアコギで、トップ材にスプルースを使用しており、音の鳴りも抜群。
マーチンのアコギが欲しいけど高くて手が出せない人や、ちょっとした出先、旅行先などで使えるトラベルギターとしてもおすすめのアコギです。
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Gibson J-45
1942年にデビューしたギブソン製アコギの看板である"J-45"。
標準仕様の"STANDARD"や、リーズナブルな価格を実現した"Studio"などのシリーズを展開。
斉藤和義や奥田民生、秦基博など日本でも多くのアーティストが愛用するラウンドショルダータイプのアコギです。
スプルースのトップ材とマホガニーのバック/サイド材の組み合わせによって、温かみのある中低域の音と鋭いエッジの効いた高音域の音が特徴。
声をほどよく引き立てる心地よいサウンドで、バンドボーカルや弾き語りとの相性抜群です。
Taylor 314ce V-Class エレアコ
テイラー定番の人気モデルです。
グロスフィニッシュのスプルーストップと、サペリ(銘木マホガニーに近い木目や音響特性を持つアフリカ原産の木材)サイド/バック材の組み合わせによって、低音から高音までの音域のバランスが良く、シャープなサウンドが特徴。
コードストロークや弾き語りのほか、ボディトップの片側をえぐったシングルカッタウェイ仕様でハイポジションにも手が届きやすく、ソロギタースタイルにも適している万能なエレアコです。
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YAMAHA LL16 ARE エレアコ
ヤマハの上位エレアコモデルの"Lシリーズ"の中間に位置するモデルです。
価格が10万円以下ながら老舗の高い技術を駆使した高品質なエレアコで、ヤマハ独自の木材改質技術"ARE(アコースティック・レゾナンス・エンハンスメント)"をボディ材に施してあり、長年弾き込まれたかのような温かい音の響きや豊かな鳴りを実現しています。
ピックアップは新開発のパッシブタイプを採用しており、プリアンプや電池ボックスを必要としないため、アコギの雰囲気を崩さずにダイナミックなサウンドを再現。
手頃な価格で確かな品質のエレアコが欲しいならおすすめの1本です。
Morris M-80 II
長野県松本市の工場で専門の職人たちが手掛けたモーリスのハンドメイドシリーズの中堅モデルです。
国内ハンドメイドでありながら価格は10万円程度、スプルースの単板をトップ材、マホガニーを サイド/バックに使用しており、海外の同価格帯のギターよりもワンランク上のクオリティを誇ります。
ドレッドノートタイプの大振りなボディによる"箱鳴り"が非常に豊かで、心地よいサウンドです。
コードストロークやアルペジオなどなんでもこなせる万能タイプで、10万円代の高品質な国産ギターを探しているならおすすめの1本です。
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K.YAIRI / YF-00028
マーチンの"000-28"をもとに開発されたケーヤイリのアコギです。
いわゆるコピーモデルですがそのクオリティは非常に高く、本家に負けず劣らずのきらびやかなサウンドと豊かなサスティンが特徴の国産ギター。
それでいて本家よりも10万円ほど安い価格を実現しており、ケーヤイリの技術力の高さに驚きを隠せませんね。
トリプルオータイプの小振りなボディでレスポンスも良いため、アルペジオ奏法やソロギターなどのプレイスタイルに適しています。
Takamine / PTU121C エレアコ
タカミネが誇る高品質なエレアコの入門用モデル。
トップ材はメイプル、バックとサイドにナトーを使用しており、渋い雰囲気のサンバーストカラーのボディがより一層目を惹きますね。
10万円以下で買える実用的なエレアコで、ピックアップは"CT-4BII"を搭載しており、シンプルな操作性ながらプロ仕様のサウンドを実現。
レコーディングやライブでも幅広く活躍するおすすめの1本です。
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