ギターワイヤレスシステムは、足元でごちゃごちゃしがちなシールドを無線化できる便利なアイテム。
自宅でのギター練習やライブ演奏において、シールドによるトラブル・ストレスがなくなるので、筆者もなにかと重宝しています。
そんなギターワイヤレスシステムですが、ひと昔前まではプロのギタリストが使うような「高級品」といった立ち位置でした。
しかし、いまではふつうの人でも手に取れるリーズナブルな製品がおおく販売されています。
そのため、初めてワイヤレスシステムをつかう人にとっては、どれをえらべばいいのか迷ってしまいますよね。
そこで今回は、ギター歴5年の筆者がつぎの内容をお伝えします。
この記事の内容
- ギターワイヤレスシステムの選び方
- おすすめのギターワイヤレスシステム
ギターワイヤレスシステムで失敗しない5つの選び方
結論、ギターワイヤレスシステムはつぎの5つのポイントを参考に選びましょう。
ギターワイヤレスシステムの選び方
- 電源タイプ
- チャンネル数
- 使用周波数帯
- 最大伝送距離
- レイテンシー
電源タイプは「バッテリー駆動」がおすすめ
ギターワイヤレスシステムの電源タイプには、
- 乾電池
- 充電式バッテリー
の2種類があります。
それぞれの電源タイプによる違いは、以下の表で見比べてみてください。
電源タイプ | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
乾電池 |
| 電池交換に維持費がかかってしまう |
|
充電バッテリー | 電池交換不要なので維持費がかからない ※充電時の電気代はかかる |
|
|
筆者の意見としては、充電バッテリータイプのワイヤレスシステムがおすすめ。
なぜなら、
- 乾電池にお金をかけたくない
- 使い終わった乾電池がゴミになる
- バッテリーでも5時間くらいは連続使用できる
といった理由があるからです。
筆者はたまにライブハウスでバンド演奏をしますが、そのときでもバッテリータイプのワイヤレスシステムをつかっています。
乾電池タイプのほうが連続使用時間は長めですが、バッテリーでもしっかり充電しておけば最長で5時間はもつのでライブ中に電池切れになる心配はありません。
初めての人はとりあえず、自宅・ライブ用どちらでも使える充電バッテリータイプを買っておけばまちがいないでしょう。
混線トラブルを避けるなら「最大チャンネル数」が多いものをえらぶ
ワイヤレスシステムを、
- 自宅
- カラオケ
- ライブハウス
など、せまい範囲で複数台つかう場合は、最大チャンネル数が多いものをえらびましょう。
なぜかというと、おなじチャンネル同士では接続不良がおこるからです。
たとえばひとつの部屋で「チャンネルA」のワイヤレスシステムを、それぞれ2セット使ったとしましょう。
すると、ふたつのチャンネルAの電波どうしがぶつかり合っている状態となるので、ギターの音をアンプに伝送できなくなってしまいます。
しかし、片方のワイヤレスシステムを「チャンネルB」に切りかえることで、電波同士の干渉をふせぐことが可能。
これにより、ひとつの空間で2セットのワイヤレスシステムを使用しても混線することなく、ギターの演奏ができるようになります。
そのため、
- 複数人で集まってワイヤレスシステムをつかう
- エフェクター用でもワイヤレスシステムをつかう
- ライブハウスでほかのバンドでも使っている人がいる
という人は、できるだけ最大チャンネル数が多いものがおすすめですよ。
周波数帯は「2.4GHz帯」がおすすめ
ギターワイヤレスシステムではおもに、
- B帯
- 2.4GHz帯
という2種類の周波数帯がつかわれています。
どちらの周波数帯を選ぶかによって、
- ギターの音質
- ノイズの拾いやすさ
- 製品のラインナップ
が大きく変わってきます。
「B帯」「2.4GHz帯」それぞれのカンタンなちがいは、つぎの表でチェックしてみてください。
周波数帯 | 見た目 | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
B帯 | ほかの電波の影響を受けにくい |
|
| |
2.4GHz帯 |
| ほかの電波の影響を受けることがある |
|
結論として、2.4GHz帯のギターワイヤレスシステムがおすすめ。
理由はとてもシンプルで、B帯のギター向け製品がそれほどないからです。
ワイヤレスマイクの周波数帯ではB帯がメジャーですが、ギター用としてはマイナー。
なので、特別なこだわりがない限りは、2.4GHz帯のワイヤレスシステムをえらびましょう。
アンプから離れて自由に演奏したいなら「最大伝送距離」が長いものを
演奏中にギターを抱えたまま自由に歩きまわりたい人は、「最大伝送距離」が長いものをえらびましょう。
最大伝送距離とは、ワイヤレスシステムの送信機から受信機まで電波がとどく限界の長さのこと。
この数値が大きいほど、受信機から遠くはなれても楽器の音をアンプのスピーカーから鳴らすことができます。
ただし、最大伝送距離はあくまでも、電波のあいだになにも障害物がないことが前提。
そのため、メーカーが公表している数値よりもちかい距離までしか、電波が届かないこともあります。
- ライブパフォーマンスで会場を歩きまわる
- アンプを動かさずに自宅のさまざまな場所でギターを弾きたい
といった人は、できるだけ最大伝送距離が長いワイヤレスシステムをえらびましょう。
音の遅延を気にするなら「レイテンシー」の数値が低いものをえらぶ
「ワイヤレス」と聞くともっとも気になるのは、音の遅延、つまり「レイテンシー」ではないでしょうか。
レイテンシーとは、音を電波に変換するまでにかかる時間のこと。
もっとわかりやすく説明すると、
ギターの弦をジャラーンと弾く ⇒ アンプから音が鳴る
※ここまでの時間差のことを「レイテンシー」といいます
このレイテンシーは「1.5ms(ミリセカンド)」といった単位であらわされ、数値が低いほど音の遅延がすくないことを示します。
シールドを接続してギターを弾いているような反応の良さを求める人は、レイテンシーの数値が低いものをえらびましょう。
とはいえ、実際にワイヤレスシステムをつかっている筆者でも、レイテンシーによる遅延の差は体感ではわかりません。
なぜなら、音の遅延なんてせいぜい「0.006秒」とか、それくらいのわずかなものだからです。
よほど耳のいいプロのギタリストでも、まず判別できるような時間差ではありません。
そのため、レイテンシーはあくまでも目安にしておきましょう。
ギターワイヤレスシステムのおすすめ7選
ここからは、筆者が厳選したおすすめのギターワイヤレスシステムを紹介します。
Xvive(エックスバイブ)/XV-U2
価格(最安値) | 電源タイプ | 最大チャンネル数 | 周波数帯 | 最大伝送距離 | レイテンシー | こんな人におすすめ |
¥16,940~ (サウンドハウス) | 充電バッテリー (約5時間駆動) | 4チャンネル | 2.4GHz帯 | 約30m | 約6ms |
|
「Xvive/XV-U2」は、ギターワイヤレスシステムの超定番ともいうべき商品。
ひと昔前のワイヤレスシステムといえば、プロのギタリストがつかうような高級品しかありませんでした。
そんな「敷居の高いアイテム」というイメージをくつがえした製品こそ、エックスバイブなのです。
筆者もこの「XV-U2」を自宅でつかっていますが、ギターを弾いているときの快適度がケタちがい。
音質の変化や途切れも気にならないレベルなので、ちょっとしたライブでの演奏ならふつうにつかえます。
- とりあえず定番の商品がほしい
- シールドのストレスから解放されたい
- 自宅・ライブ両方でつかえる商品がいい
といった人なら、この「XV-U2」でまちがいないでしょう。
⇒ Xvive/XV-U2のレビュー記事はこちら
【レビュー・評価】XVIVE/XV-U2をシールド派の筆者が一年使ってみた結果…
もともとギターの練習やライブもシールドケーブル派だった筆者が、ついに買ってしまいました。 定番のギターワイヤレスシステム、XVIVE XV-U2! リンク なんでも「シールドのストレスがなくなる」とい ...
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Getaria/GWS-8
価格(最安値) | 電源タイプ | 最大チャンネル数 | 周波数帯 | 最大伝送距離 | レイテンシー | こんな人におすすめ |
¥5,199 (Amazon) | 充電バッテリー (約5時間駆動) | 6チャンネル | 2.4GHz帯 | 約30m | ?ms |
|
- もうすこし安いワイヤレスシステムがいい
- あまり目立たないスリム設計のワイヤレスシステムがいい
といった人には、この「Getaria/GWS-8」がおすすめです。
「Xvive/XV-U2」よりもなんと10,000円以上も安く、お手軽にワイヤレスシステムの使用感を試せます。
さらにスリムなプレート状の本体によって、ギターのおしゃれな雰囲気を損なうことはありません。
そのほかのスペックも、エックスバイブに引けを取らないのも魅力のひとつですね。
見た目のデザインと価格で決めるなら、この「GWS-8」が圧倒的におすすめですよ。
BOSS(ボス)/WL-20L
価格(最安値) | 電源タイプ | 最大チャンネル数 | 周波数帯 | 最大伝送距離 | レイテンシー | こんな人におすすめ |
¥19,110 (Amazon) | 充電バッテリー (約12時間駆動) | 14チャンネル | 2.4GHz帯 | 約15m | 2.3ms |
|
「BOSS(ボス)」は、高品質なギターエフェクターやアンプで有名な日本のブランドです。
「WL-20L」も例にもれず、
- 約12時間駆動可能
- 14チャンネル接続可能
- 2.3msの超低レイテンシー
というハイスペックさが特徴のワイヤレスシステム。
そのぶん価格は少し高めですが、ライブなどここぞというシーンで最高のパフォーマンスを発揮したいなら「BOSS/WL-20L」がおすすめですよ。
Line6(ラインシックス)/RELAY G10
価格(最安値) | 電源タイプ | 最大チャンネル数 | 周波数帯 | 最大伝送距離 | レイテンシー | こんな人におすすめ |
¥24,800 (サウンドハウス) | 充電バッテリー (約8時間駆動) | 14チャンネル | 2.4GHz帯 | 約15m | 2.9ms |
|
ラインシックスは高性能なマルチエフェクターで知られているメーカーで、ワイヤレスシステムも販売しています。
「RELAY G10」は、ワイヤレスシステムの弱点である「長時間連続でつかえない」を克服した商品。
バッテリーそのものも8時間駆動と長めですが、本機に搭載されているスリープ機能がさらに消費をおさえてくれます。
これによって、めんどくさい充電の回数をおおきく減らすことができます。
- ギター練習がおわるたびに充電したくない
- リハ~ライブ本番まで通しでつかえるものがいい
という人は「Line 6/RELAY G10」がおすすめですよ。
BOSS(ボス)/WL-50
価格(最安値) | 電源タイプ | 最大チャンネル数 | 周波数帯 | 最大伝送距離 | レイテンシー | こんな人におすすめ |
¥21,690 (Amazon) |
| 1チャンネル | 2.4GHz帯 | 約20m | 2.3ms |
|
「BOSS/WL-50」は、エフェクターボードにワイヤレスシステムを組み込みたい人におすすめです。
ふつうのワイヤレスシステムをボードに組むと、なんとなく見た目が浮いてしまって気になるんですよね。
しかし「BOSS/WL-50」なら、受信機がコンパクトエフェクターのようなデザインと仕様になっているのが特徴。
エフェクターボード内に配置してもまったく違和感がないどころか、むしろカッコいいです。
ボードの中のスペースをとってしまうのがデメリットですが、ギタリストたるもの足元にもこだわりたいもの。
エフェクターボードの見た目にも妥協したくない人は、この「BOSS/WL-50」がダンゼンおすすめですよ。
受信機の電源供給アダプターはこちら。
AKG(アーカーゲー)/WMS40 PRO MINI INSTRUMENTAL SET
価格(最安値) | 電源タイプ | 最大チャンネル数 | 周波数帯 | 最大伝送距離 | レイテンシー | こんな人におすすめ |
¥12,800 (サウンドハウス) | 充電バッテリー | 1チャンネル | B帯 | 約20m | ?ms |
|
ワイヤレスシステムはほかの電波と干渉すると、通信障害が起こってギターの音がプツプツと途切れてしまいます。
自宅でのギター練習ならすこしのノイズはゆるせますが、ライブなど大事なシーンではぜったいに避けたいですよね。
そんなあなたには「AKG/WMS40」がおすすめ。
「AKG/WMS40」はB帯のワイヤレスシステムなので、
- スマホ
- パソコン
- Wi-Fi通信
などから飛ばされている2.4GHz帯の電波といっさい干渉しません。
そのため、
- 集合住宅
- コンサートホール
- 駅前でのストリートライブ
など、人が多くあつまっている場所でギターを弾くときにピッタリ。
ただし最大でも1チャンネルしか接続できないので、バンド演奏のときは同じ機器がダブらないように注意しましょう。
まとめ:ギターワイヤレスシステムで無線化して自宅練習を快適にしよう
今回は、おすすめのギターワイヤレスシステムを紹介しました。
ワイヤレスシステムをつかうことで、
- シールドのストレスがなくなる
- 足もとやギターアンプまわりがキレイになる
- ギター演奏中でも自由に歩きまわれるようになる
などのメリットがあります。
本記事を参考にワイヤレスシステムを導入して、さらなる快適なギターライフを楽しんでみてくださいね。
そのほか、ギターライフを豊かで便利なものにするアクセサリーは、こちらを参考にしてください。
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